紅茶で体の中から風邪※1対策!
急性上気道炎症(いわゆる風邪)は、様々なウイルス※2が主な原因の一つとされています。
高齢者や基礎疾患がある人だけでなく、ストレスなどによって免疫力が低下した人も、症状が重症化してしまう傾向にあります。
日頃からウイルス感染対策は勿論のこと、免疫力を高め、ウイルスに強い身体づくりに取り組む必要があります。
<急性上気道炎症の症状>
せき、たん、のどの痛み、鼻水
※1 急性上気道炎症
※2 急性上気道炎症に関わるウイルス例:ライノウイルス、コロナウイルス、RSウイルス、パラインフルエンザウイルス、アデノウイルスなど
ウイルスや病原菌に対抗する免疫力に重要な役割を担っているのは身体の中で戦うナチュラルキラー(NK)細胞と唾液中のSIgA抗体です。
このNK細胞の活性とSIgA濃度が上がることは身体の免疫力を高めることに繋がります。(免疫のしくみはこちら)
当社は紅茶の継続的な飲用が免疫力などにどのように影響するか臨床研究を行いました。
ここでは、その研究結果の一部についてご紹介します。
1日3杯の紅茶を飲み続けることは免疫力を高めることに繋がる!
紅茶の継続的な12週間の飲用によって、自然免疫細胞であるNK細胞の活性が高まり、さらに粘膜免疫成分である唾液中のSIgA濃度が増加することがわかりました。
このことから、紅茶の継続的な飲用は免疫機能が増強されることがわかりました。
1日3杯の紅茶を飲み続けることは風邪※1に罹りにくくなり、罹っても重症度が低く抑えられる!
試験品摂取期間中の風邪※1の発症率および平均発症回数を比較したところ、いずれも対照群に比べ、紅茶群では有意に低下することがわかりました。
また、試験品摂取期間中の風邪※1の重症度およびQOL低下度を比較したところ、いずれも対照群に比べ、紅茶群では有意に抑制されることがわかりました。
このことから、紅茶の継続的な飲用は、免疫力を改善・強化することが示されました。
QOL(Quality of Life)とは生活の質を表し、QOL低下度スコアが高いほど生活の質が悪くなっていると示唆されます。
急性上気道炎症状の重症度および健康関連QOL低下度の評価方法
ウィスコンシン上気道症状調査票(WURSS-21)日本語版を用いて、毎日、急性上気道炎症に関連する10項目の症状および健康関連QOLに関する9項目の機能に関して8段階評価し、各項目について84日間の合計スコアを用いて評価を行った。
※1 急性上気道炎症
免疫のしくみ
「免疫力」とは、私たちの身体の外から侵入した外敵(ウイルスや細菌など)や、身体の中で発生したガン細胞などの異常な細胞や異物を排除しようとする、自己防衛機能です。
病気に対して私たちの身体が持っている抵抗力とも言い換えられます。
免疫機能には“自然免疫”と“獲得免疫”と呼ばれる2種類の仕組みがあります。
私たちが今までに出会ったことのない侵入者(ウイルスや細菌など)や異物に対しては、 “自然免疫”と呼ばれるシステムが働いて、これらを体外に排除するために攻撃を行います。また、ウイルスや細菌、異物の種類を選ばないため、反応が速く、多種類の異物に対抗することができます。
“ナチュラルキラー細胞(NK細胞)”は白血球の一種で、自然免疫を担っています。血液を介して常に体内を循環しており、外敵を発見すると攻撃を仕掛ける「パトロール隊」です。
また、一度、出会ったことがある侵入者(ウイルスや細菌など)に対しては、“獲得免疫”と呼ばれるシステムが働き、免疫の記憶に基づいて侵入者に特化した免疫細胞や抗体を産生し、侵入者を攻撃します。
鼻や喉(上気道)の粘膜は、体外から侵入した外敵に出会う「最初の防衛線」を担っています。粘膜からは粘性のある液体(鼻水や唾液)が常に分泌されており、これら粘液中に含まれる獲得免疫成分“分泌型IgA抗体(SIgA)”は、粘液に絡み獲られた侵入者(ウイルスや病原性菌)に付着し、中和することで無毒化します。
<臨床試験概要>
・試験デザイン:ランダム化プラセボ対照単盲検並行群間比較試験
・対象者:20歳~60歳までの健常者72人(うち統計解析の対象者は70人)
・試験品:紅茶(ティーバッグを使って抽出した紅茶)または麦茶(比較対照)を1日当たり3杯、12週間継続して摂取。
・評価方法:健康管理表(体温、食事量、体調、インフルエンザワクチン接種有無など)およびウィスコンシン上気道症状調査票(WURSS-21)を毎日記録した。また、摂取期間の前後にインフルエンザ抗体価、NK細胞活性、唾液SIgA量を測定した。
出典:Inhibitory effects on acute upper respiratory tract inflammation with black tea consumption
–A randomized single—blind parallel—group, placebo—controlled study –
Jpn Pharmacol Ther 2021 49(2)273-88