お茶のトピック

日本薬学会でカテキン代謝物の機能性について発表します

カテキン代謝物の血圧降下作用について、日本薬学会で発表します

2015年3月25~28日に開催される日本薬学会第135年会において、当社研究員が「茶カテキン代謝物のACE阻害活性と血圧降下作用」というタイトルでポスター発表を行います。本発表では、以下の内容を報告します。

茶カテキン代謝物のACE阻害活性と血圧降下作用
Inhibition of Angiotensin Converting Enzyme Activity, and Antihypertensive Effect of Green Tea Catechin Metabolites.

緑茶に含まれるカテキン類は、口から食道、胃を経て腸まで達すると、腸内細菌によって「代謝物」へと変換されて体内に吸収されます。カテキン類は様々な機能性をもつことが知られていますが、カテキン代謝物の機能性に関してはほとんど報告がありません。そこで私たちは緑茶飲用による血圧の降下作用に着目し、カテキン代謝物が血圧降下作用に関与しているかを調べました。

14種類のカテキン代謝物と4種類のカテキン類について、血圧上昇に関わることが知られているアンジオテンシンⅠ変換酵素(ACE)の働きを抑えるか調べました。その結果、全てのカテキン代謝物がACEの働きを阻害することを確認しました。中にはカテキン類の一種であるエピガロカテキンやエピカテキンと同等のACE阻害活性を有するカテキン代謝物もあることが分かりました。

また、茶カテキンは体内で主にhydroxyphenyl-γ-valerolactoneという物質に代謝され、尿中に排泄されることが報告されています。そこで、茶カテキンの中で最も含有量の多いエピガロカテキンガレートの主な代謝物と考えられている3,4,5-trihydroxyphenyl-γ-valerolactoneと3,5-dihydroxyphenyl-γ-valerolactoneを自然発症高血圧ラットにそれぞれ経口投与し、経時的に血圧を測定したところ、生理食塩水のみを与えたコントロールと比較して血圧が有意に下がることを見出しました。

これらの結果から、茶飲用後の血圧降下作用にカテキン代謝物が寄与している可能性が示されました。


高垣晶子, 小林泰次, 南条文雄, 三井農林株式会社, 日本薬学会 第135年会